お客様の腕時計から笑顔になれた素敵な思い出

私は当時ある飲食店で働いていました。

店の中でよく忘れ物を拾うのですが、ある日腕時計がテーブルの片隅にあり、忘れていったようでした。

いつも来る常連の方でもなかったので、お店で取り置きをしておきました。

そのお客様の顔を覚えていたので来たら渡そうとずっと待っていましたが、なかなかお見えになりませんでした。

そして数ヶ月が経ちその時計のお客様を知っている従業員もいなくなり、普通に仕事をこなしていたある日。

腕時計のお客様が来ました。

もしかして前にここで忘れ物をされていませんか?と聞きました。そうすると大事にしていた腕時計をどこに置き忘れたかわからないけれど、無くしてしまってずっと見つからないんだと言っていました。

腕時計の特徴を聞いたら一致したので時計を見せたら、

これだよ。と本当に嬉しそうにしていました。

時計の後ろにはイニシャルが刻み込まれていて、亡くなった奥様とお揃いの腕時計だったそうです。

そのイニシャルは奥様の名前が刻み込まれていたらしく聞いていて大事に取っておいて良かったなと心から思いました。

そしてそのお客様はありがとうと笑顔で帰っていきました。私は本当にそれだけで満足だったのですが、その数日後本社からお店に電話があり、そのお客様が本社に電話をして私の親切な対応がとても素晴らしかった。会社の方からも褒めてあげてくださいと、わざわざ連絡してくださいました。

私はそこから時給と立場も上がり上司からも後輩からも一目置かれるようになりました。

当たり前にした事でしたがその時の腕時計の思い出は今でも忘れられません。